2012年02月28日
ぼくの仕事について

はじめまして。ウェディングのフォトグラファーをしております河田です。
フォトグラファーなんて書くと、えらく格好付けた感じに聞こえるので、肩の力を抜いて、これからは「カメラマン」と名乗って行った方が良いな~と今考えています。
何はともあれ、これからブログを通じてたくさんの出会いがあれば良いな!と思っています。よろしくお願いします。
ぼくがカメラマンという仕事をするようになって、様々な心動かされる瞬間に立ち会ってきました。
昨年出会った忘れられない撮影について、記事を書いてみます。
2011年11月11日は、カイヘイくんとカンナさんが婚姻届けを提出する日でした。
入籍日の朝、待ち合わせに現れたのはカイヘイ君ただ1人。
「河田さん、じつはまだプロポーズしていないので入籍前にプロポーズして花束渡したいんですよ。」
そんな話があって、僕たちは雨朝、早くから店を開けている花屋を探しました。ようやく見つけた花屋で年齢の数分のバラで花束を作って貰い(この日はカンナさんのバースデーでもありました)
その後、プロポーズする場所を探しました。
「雨が降っているので屋内じゃないとだめかな?」
「でも市役所の中って言うのも人が多いし照れますよ・・」
なんて迷いつつ車を走らせ、ようやく市役所駐車場にある公園のバス停に決定。
これで一通りサプライズプロポーズの準備は整ったのですが、カンナさんとの約束の時間は1時間以上もオーバー。
さすがに大切な日に1時間も遅刻されたら誰だって怒りますよね。
車に乗り込むカンナさんにカイヘイ君は
「ごめんごめん、河田さんが寝坊しちゃって・・」
なんと遅刻したのは僕が寝坊したという理由になっちゃって後の座席からキツイ視線を感じつつ、プロポーズ予定の公園へ到着しました。
打合せ通り、ぼくが隠し持っていた紙袋からカイヘイ君が花束を出してカンナさんに向き合います。
何が始まるのか察したカンナさんのハッとした表情。頬を伝う涙。
普段饒舌なカイヘイ君はゆっくりと言葉を選んでカンナさんにプロポーズをします。
決して視線を離さないふたり。
時間は止まったようで車や雨の音もまったく聞こえてきません。カイヘイ君とカンナさん、そしてカメラマンのぼくの3人だけがこの世界にいるような感覚。
「カイヘイ君頑張れ!シッカリ決めろ!!」
そう心の中で叫びながらぼくのカメラを持つ手は震える。涙がたまる。
プロポーズにカンナさんが応える。カイヘイ君が準備していた婚約指輪をカンナさんの指に差し入れる。
ぼくは夢中でシャッターを切る。
こんな大事な瞬間に立ち会えるなんてカメラマンで良かった。心の底からそう思えた瞬間でした。
ふたりは少し照れた、でもキラキラした表情で市役所へ入籍へ向かいます。
手続きを待つ間、何度も声を掛けてくれました。
「河田さん、ありがとうございます。河田さんにいてもらって良かった。」
その言葉は今でも胸に刻まれています。カメラマンにしかできないことが見えました。この撮影で鮮明に。
2人にとって一生記憶に残るであろうプロポーズ
写真に撮らなければあの瞬間は思い出の中にしか残らなかっただろうし、出来上がった写真は大切に2人のそばに仕舞われて、何度も見返すことになるでしょう。
60歳になっても、80歳になっても
「あの時のプロポーズ嬉しかったわ」
「いやあ緊張した。遅刻してしまってカンナの顔怖かったから~」
なんて話しながら・・
カイヘイ君、カンナさんありがとう。
家族の歴史の始まりを撮影出来る仕事、最高です。生きてて良かった。カメラマンになって良かった。
そう再認識できた撮影でした。
河田洋祐
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